ひとりごと。

※本作品は、子ども向けの内容ではありません。　ご注意ください。 「病」 わたしが彼と出会ったのは、小さな出版社だった。 次から次へとアイディアがわいて仕方がなかった時期、 原稿を持って会社に足を運ぶことが多かった。 でも今日は、ロビーで見慣れない顔を見かけた。...

ぽっかりお月さま　流れ星きらり そよそよ夜風　もみじがひらり わんわん わんちゃん　どこかで鳴いてる ぽかぽか おこた　ねこがごろごろ うとうと 坊や　かくんとうたたね にこにこお母さん　そっと抱えて 「そろそろおやすみ　またあした」

ぱちぱちという音をさせながら、わたしのからだをつついてくる。 ちょっとくすぐったいけど、リズムよくキーボードを叩くものだから わたしも楽しくなってしまう。 一日のはじまりは、画面を広げて「おはよう」。 消灯時間がくると、わたしはまぶたをゆっくり閉じて「おやすみ」。...

※短編としてお読みいただくことができますが、「クランク イン」もご覧いただくとより楽しめる作品となっています。 わたしがこの場を借りて書くのは、おかしいかもしれない。 彼より文才もないし、想像力もない。 ただの"登場人物"だから…。...

※短編としてお読みいただくことができますが、「本ではよくあるお別れ会」もご覧いただくとより楽しめる作品となっています。 ぼくは主役じゃない。 空想の人物の人生を描書く小説家だ。 作品によっては、だいぶ時間をかけるものもあるが、...

わたしは「ふしぎの国のアリス」が大好き。 へんてこなお茶会に、いつも怒ってる女王さま、おしゃべりする猫。 みんなもよく見るゆめのおはなしでしょう？ わたしはずっとゆめを見ていたい。 「オズのまほう使い」のドロシーも現実にもどるときに おうちがいちばん って言っていたけど、...

わたしはきょうも画面の前でどうぶつたちの暮らしを見守っています。 どうぶつたちは箱の中で各々生活をしているのです。 ひきこもりのうさぎさんがいたり、 こっちには不幸なきつねさんが、 いるかとうみへびの面白コンビ、 海のなかをのぞけば、澄んだ声で歌をうたう人魚さんがいる。...

※短編としてお読みいただくことができますが、「あらいぐまのこわい夢」もご覧いただくとより楽しめる作品となっています。 わたしはきょうも眠れずにものがたりを書いている。 眠らなきゃという思考が、かえって眠れなくさせるから パソコンに向かってひたすら文字を打つのだ。...

※短編としてお読みいただくことができますが、「不眠症とバクの夢話」もご覧いただくとより楽しめる作品となっています。 バクは、森のどうぶつたちの悪夢をたべものとしていました。 悪夢をかぎつけ、こっそり寝ているどうぶつのからだに鼻をつけ、 思いっきり息を吸うのです。...